日本語学校, 日本語教育

初級レベルのクラスでどんな教科書を使っていますか?

大学院のときのクラスの一つに、いろいろな日本語の教科書を分析する講義がありました。文法の講義でも、教科書によって教え方が違うということで教科書の比較なんかをしたりしました。教科書を分析する講義では、大学の図書館にある初級・中級レベルの教科書を何冊もひっぱりだして、あーだこーだと議論したのを覚えていますが、そのときに自分の中で思ったのが、多少好みはあれど、結局この教科書が1番いい、この教科書じゃなきゃだめっていうのはないかな〜ということです。

どの教科書にも(教師にとって)使いやすい部分、使いにくい部分があったり、練習これで足りるかな?っていう部分とか、色々な感想を持ちました。そして、どの教科書を使うかは、教えるクラスのサイズとか場所とか学生のタイプとかによって変わるかなと思いました。

わたしは今、オンラインの1対1のクラスでは「Genki1・2」か「みんなの日本語1・2」を使っています。ちなみにたぶん9割が「Genki」です。私とレッスンを始める前にすでに「Genki」を購入済みということが多々あります。定番の「みんなの日本語1・2」に関しても、「日本語しかない(英語がない)」ことが理由で、それを好んで購入している学生がいます。

もしわたしがおすすめを聞かれた場合には、オンラインのクラスでは、たいてい「Genki」をすすめています。

すごく単純な理由ですが、「Genki」の方が楽しい絵が多かったり、いろんなタイプの練習問題があって、同じ教科書内に英語で書かれた文法の説明のページや単語リストもあって、オンラインのレッスンで使いやすいです。オンラインの学生はたいてい1週間に1時間だけクラスを受けるので、1週間のうちに日本語に触れる機会が限られている人が多くて、「みんなの日本語」の英語なしで、日本語がバーっと並んでいるのを見ると、パニック/ストレスになっちゃう傾向があることに気がつきました😥

使っていくうちに慣れていくかも、とも思ったんですが、オンラインっていつでも辞められるので、最初が肝心で学生が「やば。日本語むず!」って思ったら、結構普通に数週間で諦めちゃう人もいるんですよね😐 

ちなみに、「Genki」の登場人物のメアリーさんとたけしさんの恋模様を気にする(応援する?)学生も意外に多くて教科書に親しみをもちやすいみたいです☺

あとは、わたしは個人的に動詞の活用について、辞書形からの方が活用しやすいんじゃないかと思ってる派です。(少なくともオンラインの学生にとっては。)オンラインの学生はアプリとかで単語を勉強している人が多くて、その場合、すでに動詞を辞書形で覚えているんですよね。そういうわけで、「Genki」おしです。「みんなの日本語」のほうがもっとたくさん文法をカバーしているし、いいなと思うところはたくさんあるんですが、オンラインのクラスでは、「Genki」が使いやすいかなと思ってます。

ちなみに大学院のとき、「まるごと」や「できる日本語」の筆者の先生の講義を受ける機会があったので、この2つの教科書はとても印象に残っているんですが、まだ使ったことはありません😭 次に新しい学生をうけもつことになったら提案してみようかな?🤔でもちゃんと使いこなせるか・・😂

日本語学校, 日本語教育

最近ブログがすっかり食べログと化してきたので、そろそろ日本語関連について書こうと思います。

最近、わたしが2年くらい教えている学生Aさんから泣きながら相談を受けました。Aさんはヨーロッパ出身の学生で、わたしとはSkypeを使って週に1回、2年間一緒に勉強してきました。

緊張しやすく、すこし分からないことがあるとそれを解決するまで思考がストップしてしまうタイプの方だったので、分からないことがあれば英語も使って、質問があれば、納得するまで英語で説明するようにしていました。

Aさんは最近日本に引っ越して、フルタイムで日本語学校に通い始めたところでしたが、どうもその学校が合わないとのこと。理由は、こんな感じです。↓

  1. 先生が文法を説明してくれない。
  2. ペアワークなどの指示が分からない。周りの人も分かっていない。
  3. 進むペースが早くてついていけない。

う〜ん。これは難しい😢その学校は直接法で、シラバスもきっちり決まっていて、先生は学校の方針にしたがって、やらなければならないことをやっているのだと思います。そういう授業に、今までプライベートで自分好みの方法で勉強してきたAさんがついていけなかった感じなのだと思います。Skypeでも、日本語学校でも、1対1のプライベートのクラスはその学生に合った方法でストレスなく学習を進められるぶん、グループの授業に戻るのが難しくなる場合があることを改めて実感させられました。

外国に引っ越すというだけでも大きい環境の変化でストレスだろうに、学校の授業にもついていけず、ショックが大きかったのだろうと思います。

実は、こうした「日本に引っ越して学校に通い始めたけど、思っていた学校と違う!」という相談を受けるのは、残念ながらこれが始めてじゃありません。自分のやり方がまずかったかな、もっと直接法に徹していればよかったのかな・・と色々考えさせられますが、プライベートのレッスンなので、やっぱり学生の希望に沿った方法で授業を進める方法でいいかなとも思います。(だから学校に行かずに私のプライベートレッスンを取ってくださっているのだと思うので・・)

じゃあ、どうすればいいのか 🤔 簡単にできるところからいくと、学生が日本への留学を考え始めたら、学校選びの相談にのることなのかな〜と思いました。学生がネットで探してきた学校のホームページを見て一緒に考えたり、場合によってはその学校で使っている教科書などの問い合わせをしたらいいのかなと思います。日本国外で、1年「Genki」で勉強していたのに、いきなり「みんなの日本語」を使う学校に入学して、新しいやり方に慣れるのに苦労するより、そのまま「Genki」を使っている学校に行く方が効率的だし、ストレス軽減になるかなと思います✨

これからは、学生が日本でどんな風に勉強したいのか、どれくらいのレベルにまで持っていきたいのかなど色々聞いて、一緒に考えてみようと思います ✊

日本語学校

最近、大学院時代の友達2人から、同じような相談を受けたので、ブログにも書いておこうと思います。

2人からの相談内容は、オーストラリアの日本語学校で働いて生活していけるか、ということでした。

生活していけるか。できないことはないと思います✨

働く日本語学校や運、タイミングにもよると思いますが、確実に言えるのは渡豪前に、日本の日本語学校で経験を積んでおいて損はしないということかなと思います。

あくまでオーストラリアの日本語学校の話ですが、ほとんどの場合が非常勤からのスタートになると思います。その場合、時給になると思うのですが、経験と模擬授業によってその時給が決まるので、少しでも経験がある方がいいかなと思います✨

日本の日本語教育機関でも、経験によって時給は変わってくるとは思いますが、オーストラリアで日本語教師として生活していくことを考えた場合、少しでも時給がいい方がいいですし、経験が豊富だと色々なレベルのクラスを持たせてもらえるので、その分お給料が安定すると思います😊

学歴(日本語教育関係の修士号をもっているなど)も時給に反映してもらえるとは思いますが、やはり経験がなければ持たせてもらえるクラスは少なくなります😢

色々なレベルの授業ができることにこしたことはないのですが、オーストラリアの民間の日本語学校の学生のレベルの大半が初級レベルです。なので、「みんなの日本語(特に初級1)」や「Genki」が教えられると、即戦力として扱ってもらえると思います。

色々書きましたが、オーストラリアの日本語学校での勤務だけで生活していこうと思っている場合は、それまでに可能な限り経験を積んでおくことをおすすめします✨